2008年06月14日
Keywords: 生態系・生物多様性 大学・研究機関 政府
日本政府は2008年2月15日、東京で開催された「第2回日本ブラジル環境対話」で、ブラジルにおける環境・気候変動への取り組みに協力するため、日本の陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」による画像を活用したアマゾンの違法伐採防止に関する技術協力を実施することを表明した。
「だいち」は2006年1月24日、宇宙航空研究機構(JAXA)によって打ち上げられた世界最大級の地球観測衛星。「だいち」が搭載するフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ、パルサー(PALSAR)は、衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波センサで、夜や曇天時も撮影ができる。Lバンドのマイクロ波は、森林地域でも一部が地表面まで到達するという特徴を持っており、森林下部の状態を観測するのに適している。
このため、JAXAはブラジル環境及び再生可能天然資源院(IBAMA)と協定を締結し、2007年9月より、「だいち」の観測画像を活用して、アマゾンにおける違法伐採を含む伐採領域の特定を行っている。
今回の技術協力は、ブラジル政府による違法伐採の監視体制をさらに強化するため、「だいち」による画像を既存のアマゾンの違法伐採監視システムに導入するとともに、画像処理技術の専門家の能力向上、関係機関の連携強化を支援するもの。両政府はこれにより、アマゾンの熱帯雨林の消失に歯止めをかけたいとしている。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h20/2/1177891_902.html
http://www.jaxa.jp/press/2007/09/20070903_daichi_j.html
http://www.jaxa.jp/projects/sat/alos/index_j.html
衛星で地球環境監視、新宇宙機関が計画 (関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/db/468-j
登録日時: 2008/06/14 09:56:34 AM