2013年09月02日
Keywords: 再生可能エネルギー NGO・市民 エネルギー政策 地方自治体 大学・研究機関 政策・制度
各地域で進む自然エネルギー事業の開発において社会的な合意形成の重要性が世界中で認識されるなか、2013年8月現在、日本でも具体的な取組みやガイドラインなどの検討が進んでいる。
現在、日本の各地域では、小規模な太陽光発電から大規模なメガソーラーやウィンド・ファームまで、多種多様で数多くの自然エネルギー事業の開発が進められている。こうした事業の開発にあたっては、地域社会の利害関係者(ステークホルダー)とのコミュニケーションを丁寧に積み重ねた上で、社会的な合意に基づいて進めていくことが重要である。(*1)
社会的合意形成においては、「分配」と「手続き」という2つの側面を考える必要がある。自然エネルギー事業の利益とリスクが、誰に、どのような形で影響するかを考えるのが「分配」の問題で、リスクを明らかにした上で、利益をできるだけ地域に留める「コミュニティパワー」と呼ばれる地域主導型の事業形態への取組が様々な地域で始まっている。(*2)
「手続き」としては、さまざまなガイドラインが検討・提案されている。風力発電については、国際的にはIEA(国際エネルギー機関)にタスクチームがつくられ、日本においても名古屋大学を中心とする研究グループでガイドラインの検討が進んでいる(*3)。地熱発電については、特に温泉との関係で、環境省が2012年に「温泉資源の保護に関するガイドライン」を作成している。(*4)
環境エネルギー政策研究所 (ISEP)
松原弘直
*1:「自然エネルギー白書2013」第2章第8節「社会的合意形成」
*2:「コミュニティパワー・イニシアチブ」
*3:シンポジウム「風力発電の社会的受容性」
*4:温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係) の策定について (お知らせ) | 環境省