エネルギー・地球温暖化

2014年09月03日

 

東京都、2020年東京五輪に向けて再生可能エネルギーの利用拡大を加速

Keywords:  再生可能エネルギー  エネルギー政策  地方自治体 

 

写真:「東京 1/1000」の模型
イメージ画像:Photo by Mika Ueno Some Rights Reserved.

2020年の五輪開催に向けて東京都が掲げた環境理念は、「環境を優先する2020年東京大会」。これを踏まえて東京都では、具体的な対策を進めています。本記事では、その中から、再生可能エネルギーの利用拡大に向けた取り組みについてお伝えします。

環境優先を理念に掲げる2020年東京五輪の開催を控え、東京都が再生可能エネルギーの利用拡大に向けた取り組みを加速化させています。

都は、2008年策定の「環境基本計画」で、2020年までに東京のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を20%程度に高めることを目指すことを掲げ、太陽エネルギーを中心に、再生可能エネルギーの利用拡大の取り組みを積極的に進めてきました。

特に太陽光発電は、2009年度から4年間実施した補助制度等により、都内での導入が大幅に拡大しています。さらに、都内には太陽光発電の導入ポテンシャルがまだ豊富に存在していることから、建物所有者が自らの太陽光発電ポテンシャルを把握できるよう、全国で初めて「ソーラー屋根台帳」を公開したほか、都民が少ない初期負担で太陽光発電を設置できるよう、指定の金融機関から低利でソーラーローンを受けられる制度を立ち上げました。

太陽光発電と比べて利用が進んでいない太陽熱の利用拡大に向けても、住宅供給事業者を対象とする補助事業を始めたほか、都民の関心や理解を高めるため、「熱は熱で」キャンペーンを実施し、給湯や暖房など比較的低温な熱の用途には太陽熱や地中熱などの再生可能エネルギーにより生み出された熱を利用することを呼びかけています。

2012年度の都内の電力消費量に占める再生可能エネルギー電力の割合は、グリーン電力証書などを活用して都外で生産される再生可能エネルギーを利用する分も含めて、約6%でした。国モデルの全国的な再生可能エネルギー増加による都内割合推計では、都による拡大策がない場合、20%が達成されるのは2033年になる見込みです。

都は、早期の20%実現には、需給両面から都で出来る最大限の取り組みを実施する必要があるとして、2014年6月3日、「東京都再生可能エネルギー拡大検討会」を設置しました。民間事業者や学識経験者等が、都内外における再生可能エネルギーの拡大に向けた具体策のほか、藻の活用のような新技術の開発促進など多角的な取り組みについて検討するもので、その結果は2014年末策定の「東京都長期ビジョン」に反映されます。

写真:国立代々木第一競技場
イメージ画像:Photo by Rs1421 Some Rights Reserved.

舛添要一東京都知事は、同検討会の設置を発表した2014年5月23日の定例記者会見で、都下水道局の森ヶ崎水再生センター(大田区)を例に、2020年東京五輪に向けた取り組みの強化を訴えました。

同センターは、下水汚泥の処理工程で発生するメタンガスを利用して年間2000万kWh、処理水の放流落差を利用した小水力発電で80万kWh、太陽光発電で100万kWhを生み出しており、合わせると、自らが事業で使用する電力量の21.8%を汚水や太陽光で賄っていることになります。

舛添知事は、「森ヶ崎水再生センターのようなことを東京全体がやる。原発があろうがなかろうが、そういう努力をするべきだ。東京五輪までにはそこまで大胆にやる」と述べています。今後の東京都の再生エネルギー利用の拡大に大いに期待しています。

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