生物多様性・食糧・水

2012年11月26日

 

生物種間の多様な関係がカギ 自然のバランスを保つ仕組みの新たな発見

Keywords:  生態系・生物多様性  大学・研究機関 

 

科学技術振興機構(JST)と龍谷大学は2012年7月20日、生態系に多様な生物種間関係が存在することが自然のバランスを保つ鍵であることを世界で初めて突き止めたことを共同で発表した。

自然界では、相利関係と呼ばれる互いに助け合う関係や、一方が他方から搾取する敵対的な関係といった多様な関係が成り立っている。同研究は、過去の研究では見逃されてきたこの「生物種間の関わり合いの多様性」の役割に着目、数学を利用した自然生態系の模型(数理モデル)を作成し、種間関係の多様性が自然のバランスにもたらす影響を評価した。

モデルの解析結果、種間関係が多様だと多種の共生が容易になること、また、敵対関係と相利関係がほどよく「ブレンド」されていると、これまで自然のバランスを崩すと信じられてきた生態系の複雑性が、全く逆の効果を持つことが分かった。この発見が、生物多様性の喪失を食い止めるための新しい保全技術・方策の開発に結びつくことが期待される。

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