生物多様性・食糧・水

2006年06月25日

 

東アジア、晴天の頻度増加、積乱雲は巨大化し豪雨をもたらす傾向へ

Keywords:  生態系・生物多様性  大学・研究機関  政府 

 

独立行政法人海洋研究開発機構は2006年3月29日、東アジアでは過去約30年(1971-1996年)、晴天の頻度が増加、しかし積乱雲が発生すると巨大化し、豪雨をもたらす傾向にあり、地球温暖化などの人間活動による影響による可能性も考えられると発表した。

海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センター水循環変動予測プログラムディレクターの安成哲三と遠藤伸彦研究員は、長期にわたる地上からの気象台職員による雲の目視観測データを解析し以下の事実を明らかにした。
1)1971年から1996年の26年間に夏季の中国全土で晴天の頻度が増加し、積雲の出現頻度が減少。
2)中国南部では豪雨をもたらすと考えられる積乱雲の出現頻度は減少。
3)逆に同地域での積乱雲の雲量は逆に増加しており、いったん出現した積乱雲は、発達する傾向が近年強くなっており、豪雨をもたらしやすくなっている。

東アジアについてこのような雲量変動の傾向を明確に示した研究結果は世界でも初めて。今回得た成果はIPCCなどで議論されている「地球温暖化」を含め、東アジアにおけるエアロゾル増加や土地利用改変などに関連した水循環過程の変化の新しい観測事実として重要であり、東アジアにおける気候予測の精度向上に役立てられることとともに気候モデルの性能評価を行う際にひとつの指標として利用できる。この成果はアメリカ気象学会誌「Journal of Climate」4月号に掲載された。



http://www.jamstec.go.jp/jamstec-j/PR/0603/0329/index.html




登録日時: 2006/06/25 10:44:30 PM

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