人と社会のダイバーシティ

2017年12月04日

 

表現活動を社会につなげる福祉施設「工房集(KOBO-SYU)」

Keywords:  共生社会  ダイバーシティ  レジリエンス  幸せ 

 

「工房集」ウェブサイト
「工房集」ウェブサイト

「工房集(KOBO-SYU)」は2002年にできた福祉施設で、障がい者の表現活動から生まれる数々の作品は製品化され、オリジナルブランドとして取引されています。新しい社会・歴史的価値観を創るためにいろんな人が集まる、外に開かれた場所にしていこうという想いを込めて作られ、これまでにさまざまな困難を抱えた人を受け入れてきました。

「工房集(KOBO-SYU)」は福祉の現場にギャラリーがある福祉施設であり、アトリエ、ショップ、作品展中はカフェにもなるという色々な機能を兼ね備えています。「そこを利用する仲間だけの施設ではなく、新しい社会・歴史的価値観を創るためにいろんな人が集まっていこう、そんな外に開かれた場所にしていこう」という想いを込めて集(しゅう)と名付けられました。

工房集の母体となる社会福祉法人みぬま福祉会は、「希望すれば入れる施設づくりを目指す」という理念の下、障害の重い人や、他の施設を断られた人などさまざまな困難を抱えた人を受け入れてきました。ただ受け入れるだけの施設にするのではなく、一人ひとりが当たり前に生きていくための願いを支えるために活動しています。30年経った現在では、11の施設を運営する等22の事業を行い、300名以上の障害のある人たちが利用しています。

みぬま福祉会が運営する各事業所には計10か所のアトリエがあり、120名程が表現活動に取り組んでいます。その表現方法は絵画、織り、ステンドグラス、木工、写真、書、詩、漫画、紙粘土、更には、糸、ビニールテープ、銅線、グルーガンなど多種多様です。決して才能がある人を集めたわけではなく、むしろその逆で、何もできないと言われてきた人たちが、今までにない作品を生み出し、本人も幸せになっているだけでなく、周りの人の意識や価値観まで変えていくのです。

この表現活動から生まれる数々の作品は製品化され、オリジナルブランドとして取引されています。製品にするための作品をつくるのではなく、メンバーたちの表現から生み出されたものをどう製品化し、いかにその魅力を伝えられるかを考えることが大切にされています。そのために毎年製品化の「グッズ会議」や織りの加工ボランティアさんとの「デザイン会議」を行い、意見交換をしながら形にしています。また、企業への作品画像、デザインの提供のほか、展示会なども行っています。

工房集の目指す姿や考え方を忘れずに、表現活動に限らず、新たな可能性を引き出し、新しい活動に繋げていくことが望まれます。そして、障がい者がさらに過ごしやすい社会になっていくことを願っています。

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