生物多様性・食糧・水

2013年10月24日

 

産総研など、CCSがもたらす地下微生物生態系への影響を解明

Keywords:  生態系・生物多様性  地球温暖化  大学・研究機関 

 

Impact_of_CSS_Microbial_Communities_ja.jpg
Copyright 産業技術総合研究所 All Rights Reserved.


産業技術総合研究所(産総研)は2013年6月13日、国際石油開発帝石(INPEX)と英国ニューキャッスル大学との共同研究の結果、枯渇油田の微生物生態系に見られるメタン生成活動は、CO2地中貯留によって生じる高濃度CO2環境下でも存続することを発見したと発表した。

枯渇油田は、発電所などで発生する大量のCO2を回収し、地中に隔離するCO2回収・貯留(CCS)の貯留サイトに適している。一方、世界中の油田にはメタンの生成活動を行う微生物生態系が広く分布しており、そこで生成するメタン(天然ガス)が新たな資源となる可能性がある。

産総研とINPEXは枯渇油田に存在する酢酸がある種の微生物群によってメタンとCO2に変換されることを世界に先駆けて発見していた。今回、八橋油田(秋田県)から地下水と原油を採取し、現場の条件とCCSを想定した条件における比較実験を行った。その結果、両者のメタン生成プロセスは劇的に変化するものの、地下微生物によるメタン生成活動が存続することを確認した。

CCS技術の開発には、地球科学と微生物学を融合した地圏微生物学の観点を含めて進めることの有効性が示された。

English  

 

 

このページの先頭へ