生物多様性・食糧・水

2011年05月07日

 

畜産草地研究所と信州大学 鳥類の遺伝資源の効率的な保存・復元方法を開発

Keywords:  生態系・生物多様性  大学・研究機関 

 

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所と国立大学法人信州大学農学部の共同研究チームは、ニワトリなど鳥類の遺伝資源の新しい保存方法の開発に成功したことを2010年12月10日に発表した。

発生途中のニワトリの胚から精子や卵子の元となる始原生殖細胞を採取して凍結保存することで遺伝資源を恒久的に保存する方法はこれまでにもあったが、細胞採取後の胚は損傷が大きいことなどにより、ふ卵を続けることが難しかった。

今回開発した方法は、鳥類の始原生殖細胞が一時的に胚の血液中を循環するという特性に着目し、ニワトリの胚をいかしたまま血液を採取し、始原生殖細胞を分離して凍結保存を行うとともに、細胞を採取した後の胚をふ卵器に戻してふ化させ生体としても維持継代するというもの。

この方法を用いて採取した天然記念物の岐阜地鶏の始原生殖細胞を代理親となる白色レグホーン種の受精卵に移植し、生育した代理親同士の交配により岐阜地鶏を復元することにも成功した。また、限られた数の貴重な胚を最大限に活用した遺伝資源の保存ができるようになり、家禽のみならず絶滅危惧種や希少な鳥類の保存への応用が期待される。

林木遺伝子銀行110番を開設(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/023275.html

登録日時:2011/05/07 06:00:15 AM

English  

 

参照元

鳥類の遺伝資源の効率的な保存・復元方法を開発
http://nilgs.naro.affrc.go.jp/press/2010/1210/
idenshigenhozon_index.html

研究論文
http://nilgs.naro.affrc.go.jp/org/abrrt/ref/biolreprod83.pdf
『Biology of Reproduction』に掲載された同論文
http://www.biolreprod.org/content/83/1/130.long


 

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