2011年02月18日
独立行政法人森林総合研究所は2010年11月16日、中山間地で栽培されているソバの実のつき具合(結実率)と生物多様性との関係を調査した結果、森林の生物多様性がソバの実りを豊かにすることがわかったと発表した。
森林が豊かな生物多様性を支えていることが、人間の生活にも貢献していること(生態系サービス)はあまり知られていないことから、今回調査が行われた。ソバの花粉の媒介はハチ、アリ、ハエ、ハナアブ、ハナムグリなどの昆虫が行うので、その結実率は花粉媒介がうまくいくかどうかにかかっている。
茨城県常陸太田市において、周辺環境の異なる様々なソバ畑で、花を訪れる昆虫の種類や数、ソバの実のつき具合(結実率)の調査を行った結果、森林や草地など生物多様性の高い植生が周りに豊富なソバ畑では、花粉を媒介する昆虫の数が多く、結実率も良くなることが明らかになった。
同研究所では、この研究は、森林など生物多様性の高い植生の存在が農作物の生産にも貢献していることを示すものであり、森林を守ることは、生物多様性の保全を通じて、その生態系サービスを維持する意味があるとしている。
登録日時:2011/02/18 06:00:15 AM
森林の生物多様性がソバの実りを豊かにする
http://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2010/20101116/
documents/20101116.pdf