エネルギー・地球温暖化

2008年08月17日

 

月桂冠、食用でない植物原料からバイオエタノールを生産する技術を開発

Keywords:  再生可能エネルギー  3R・廃棄物  企業(製造業)  大学・研究機関  政府 

 

大手日本酒メーカーの月桂冠は2008年3月28日、化石燃料に代わる新しい燃料として期待されているバイオエタノールの新たな生産技術を発表した。麹菌の遺伝子を清酒酵母に組み込んだ「スーパー酵母」を用いて、もみ殻や稲わらなど、食用でない植物原料からも直接エタノールが生産できる画期的な技術。

バイオエタノールの原料となる植物のセルロースは、化学的に安定し強固な構造を持っているため、「亜臨界水処理」と呼ぶ方法で前処理することで構造を弱め発酵可能な状態にする。従来の化学薬品を使う方法に拠らず、高温・高圧状態の水で行うので、環境への影響や安全性の面ですぐれている。

アルコールを作る「スーパー酵母」とは、麹菌から見出したセルロース分解酵素を作る遺伝子を清酒酵母に組み込むことで、酵母の細胞表面へ、酵素を千手観音の手のように高密度に並べたもの。この特性によって、亜臨界水で前処理したセルロースから単独でエタノールを作ることが実現した。クリーンで簡易な前処理と、シンプルで高効率なエタノール産出技術により植物原料の入手先で小規模の生産をすることも可能となった。

同社研究所は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の革新技術開発研究事業の一環として、東北大学、神戸大学、京都大学の研究者らと共に本研究に取り組んだ。同社では、もみ殻や稲わらからエタノールが生成できることを確認している。今後、実用化に向けてアルコールの収量・収率を上げる研究などを進めていく予定。



http://www.gekkeikan.co.jp/company/news/200803_02.html


http://www.gekkeikan.co.jp/RD/index.html


登録日時: 2008/08/17 11:49:07 AM

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