生物多様性・食糧・水

2006年07月22日

 

オゾン層 90年代以降の北半球は一定 - 微増だが、依然要注意

Keywords:  生態系・生物多様性  政府 

 

気象庁は2006年4月28日、2005年の世界と日本のオゾン層の状況をまとめた「オゾン層観測報告:2005」を発表した。報告書によると、地球全体のオゾン層の長期変化傾向は、低緯度地域を除いて1980年代を中心に減少が進み、現在も減少した状態が続いている。

90年から2005年の平均オゾン全量は、80年以前と比較すると南半球で4.8%、北半球で3.3%、地球全体の平均で4.0%減少している。90年代以降の北半球に限ってみると、オゾン全量にほとんど一定もしくは緩やかな増加傾向が見られる。日本国内においても、オゾン全量は80年代を中心に減少が進んだが、90年代半ば以降はほとんど変化していないか、緩やかな増加傾向が見られる。

また2005年の観測結果としては、オゾン全量は北緯60度から南緯60度の地域の平均で一年を通して、79年-92年の平均オゾン全量より少ない傾向にあった。その他、2005年の南極上空オゾンホールがこれまでと比較して早い時期から広がったことについては、オゾン破壊を促進する成層圏のマイナス78℃以下の低温域が例年より広範囲に広がったためと考えられている。

気象庁は、「モントリオール議定書が完全に遵守されたとしても、オゾン層は今後10年程度は破壊されやすい状況だ」と予想している。さらに、オゾン層の回復はこれまで製造された製品中に貯蔵されたフロン類の放出等によって、予測よりも遅れるとの研究もあり、注意深く監視する必要があるとしている。



http://www.jma.go.jp/jma/press/0604/28a/ozon2005anu.html


http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/ozonehp/o3report2005.html


登録日時: 2006/07/22 10:17:50 AM

英語記事はこちら


 


 

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