生物多様性・食糧・水

2006年02月15日

 

コウノトリ、34年ぶりに日本の空を舞う

Keywords:  生態系・生物多様性  地方自治体  大学・研究機関 

 

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Copyright 兵庫県立コウノトリの郷公園

日本で絶滅していたコウノトリを自然界に復帰させる取り組みが、兵庫県豊岡市の「県立コウノトリの郷公園」で進められている。2005年9月には同公園で人工飼育されていた5羽が初めて空に放たれた。日本生まれのコウノトリが日本の空を飛ぶのは34年ぶり。人里から姿を消した種を再び人里に返していくという世界初の試みが始まった。

コウノトリは極東を中心に分布し、羽を広げた大きさは約2メートル。日本では1930年頃まで各地で見られたが、生息地の破壊や農薬被害などにより次第に数が減っていった。1971年に野外に生息していた最後の1羽が死亡し、国内の野生のコウノトリは消滅した。

兵庫県と豊岡市が中心となり1965年から人工飼育をスタートさせ、1989年に初めてヒナが誕生した。現在100羽以上が同公園で飼育されている。これから5年間、自然界でのコウノトリの生態や放鳥のリスクなどの分析を行う予定。

今後はコウノトリが生息できる里山や、餌がとれる自然環境をどれだけ整備できるかが課題。行政と地域が協力して、無農薬や減農薬の水田、また排水路と水田をつなぐ魚道の整備などの取り組みを進めている。



http://www.stork.u-hyogo.ac.jp/


http://kounotori.org/


登録日時: 2006/02/15 12:14:40 PM

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