生物多様性・食糧・水

2003年10月14日

 

藁でつくる家 日本各地に

Keywords:  生態系・生物多様性  NGO・市民  市民社会・地域 

 

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日本各地に藁でつくられた家が建ち始めている。厚みのある壁、あたたかみのある質感、柔らかな曲線を描く塀が特徴。2001年1月、栃木県益子に日本で初めての本格的な藁作りの住宅が完成。その後九州の佐賀県で保育園が、東京では琵琶湖の葦をつかったカフェがつくられ、2003年にも幾つか完成が予定されている。

藁は、稲、カヤ、葦などの茎を乾燥させたもの。それを圧縮しひもでくくってつくった藁ブロック(ストローベイル)を積み上げて壁にする。藁壁の表面に土、粘土、漆喰を塗り防火性、防水性をもたせている。壁の厚みは40-50センチあり、室内に入れば、外で降る雨の音も気づかないほどの遮音性、厳しい冬の寒さもストーブ一つですごせる断熱性をもつ。

冷暖房エネルギーが大幅に削減できることに加え、「藁の家」はさらに理想的なエコロジーハウスとして注目を集めている。木材使用量は従来建築の三分の一程度。資材の運搬も考慮すれば、相当のエネルギーが削減できる。そして材料の藁は毎年生産され、今まではほとんどが捨てられていたもの。化学合成物質を使わない自然素材の建物は、解体後は自然に戻すことができる。

1990年代からアメリカでブームとなっているストローベイルハウスであるが、もともと日本では生活のなかで藁が有用な素材としてつかわれてきた歴史を持つ。「藁の家」がテレビ放映されると、瞬間視聴率がはねあがるなど人々の関心は高い。






登録日時: 2003/10/14 08:09:15 AM

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