震災からの復興

2018年06月25日

 

耕作放棄地で有機農業

Keywords:  震災復興  食糧 

 

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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、耕作放棄地を活用した取り組みをご紹介します。

福島県いわき市で2017年1月に発足した「織姫の会」の会長をしています。会は10人ほどのメンバーがいてさまざまな活動をしています。

いわき市は2011年の東日本大震災で、津波、原発事故による放射能汚染、風評被害といった複合的な被害に遭い、農業が苦境に追い込まれました。また、後継者不足と相まって耕作放棄地の拡大に拍車がかかりました。そんな中、非常用の作物を栽培しようと、農薬や化学肥料を使用しない有機農法で在来種の茶綿を栽培するふくしまオーガニックコットンプロジェクトが2012年に始まりました。

小学校の教員を40年近く務め、退職後は畑仕事をしたいと考えていた私は、娘の知り合いで、茶綿や無農薬野菜を栽培している農家の方を手伝うことになりました。

また、自分で大根の種をまき、世話をして収穫。知人らと一緒に干してたくあんを漬けました。このたくあんは、今まで食べたことがないほど甘くてやわらかく、いくらでも食べられました。

畑ではトラクターに乗ったり、耕運機を押したり、初めての経験ばかり。7月には、織姫の会のメンバーやその家族、企業のボランティアの方々も参加して、皆でワイワイとジャガイモを収穫しました。

私は織物を習っていましたので、自分たちで育てた綿を糸にして織り、使えるものを作りたいという思いがありました。それが今年、動きだしたのです。初めはなかなかできなくて、集まったときに皆で話し合い、また家に持ち帰ってやってみることの繰り返し。少しずつ糸になってきました。綿がスーッと糸になっていく瞬間は感動です。

2018年3月で震災から7年です。紡いだ糸でランプシェードを作り、献灯するイベントのため、毎日糸を紡いでいます。これからもボランティアの方々と綿を栽培し、糸にし、いろいろな物を作っていきたいです。

織姫の会会長
冨田久美子

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