震災からの復興

2014年11月13日

 

防災に女性の視点を

Keywords:  震災復興  防災・減災 

 

写真:日本女性会議シンポジウム

東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2013年9月27日に掲載された、女性の視点からの防災・復興の取り組みをご紹介します。

東日本大震災から2年6カ月が経過しました。塩害により、しばらく収穫は難しいといわれていた田んぼが黄金色に染まる一方で、仙台市内の仮設入居者は9,700人超。全国では29万人が避難生活を余儀なくされており、復興にはまだまだ多くの力が必要です。

震災で女性たちはより多くの困難に直面しましたが、日常を取り戻すためにいち早く立ち上がったのもまた女性たちでした。目の前にある現実と向き合い、自分だけではなく誰かのために、今できること必要なことをする...。多くの女性が素早く行動を起こしました。

また、避難所等においては、意思決定の場に女性がいないことが女性の問題を見えにくくしたという現実もあります。トイレ、着替え、備蓄、物資の配布など、女性目線での準備と対応は不十分で、困っていると口にできないこともありました。

直面した事実は自分たちの手で変えていかなくてはなりません。震災後、仙台では、DV被害者支援の全国シンポジウム、日本女性会議、商工会議所女性会の全国大会等、被災地から女性の声を発信するイベントが次々開催されています。地域の防災リーダーや起業をめざす女性も増えました。その行動は復興の原動力になっています。

仙台市では今、せんだい男女共同参画財団と連携し、女性のリーダー養成やネットワークづくり、起業支援などに取り組んでいます。昨年、ノルウェー王国からの支援で人材育成のための基金を設置することもできました。

2015年には国連防災世界会議も開催されます。さまざまな事例を積み重ね、女性の視点からの防災・復興の取り組みを世界に向けてしっかりアピールしていきたいと思います。

(仙台市市民局次長 白川由利枝)

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