2015年05月16日
Keywords: 震災復興
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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2014年6月27日に掲載された、暮らし視点で避難所運営を考える取り組みをご紹介します。
昨日のことのように鮮明に、話せば涙があふれ、身近な人たちを抱きしめたくなる。東日本大震災は、今なお私たちの複雑な感情をあおり続けています。
「せんだい防災プロジェクトチーム」は、2013年6月に実施された「女性の視点による地域防災ワークショップ」の参加者である私たち市民と、公益財団法人せんだい男女共同参画財団の職員とで結成されました。
私たちは女性や障がいのある方、お年寄りなど、さまざまな事情をもつ人たちの「暮らし視点」で、避難所運営を疑似体験する防災ワークショッププログラムを作りました。プロジェクトメンバーは11人、3カ月かかりました。使用する事例は、仮設住宅に伺ってお聞きした、実際に起こった内容を盛り込んでいます。これまでに仙台を中心に出前講座を11回開催し、子供から大人まで約240人に参加いただきました。
例えば、避難所で「赤ちゃんがうるさくて眠れない」と訴える男性がいるというケースには、お子さんを持つ女性参加者から「赤ちゃんにもお母さんにも相当ストレスがかかっているに違いない。母子でゆったりできるスペースをつくるとか、ハンドマッサージなどしてリラックスできる場所があったら良いのでは?」という具合です。
5月の第7回車座では首都圏の参加者から「避難所の運営に自分たち市民が主体的に関わることを初めて知りました」という感想も。
避難所運営はもとより、平時の日々の暮らしでも多様な人が地域づくりに関わり、話し合い、活動を継続していくことこそが多様性に配慮したまちづくりにつながると思います。
「防災は東北に学べ」という言葉は、言い換えれば「悲しみ、苦しみも今の東北で食い止める」という、私たちの経験を無駄にしない誓いと重なります。
東北の復興と未来の被災地への防災に、私たちなりの活動が役立てばと思っています。
せんだい防災プロジェクトチーム 眞野美加