2016年12月26日
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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2016年8月9日に掲載された、同じ地域で復興に取り組む方たち同士のコラボレーションについてお伝えします。
「お待たせしました。やっと出来上がりました」
7月6日、「眠り杉枕」と書かれた段ボール箱を大事そうに抱えた株式会社「磐木高箸」(福島県いわき市)の高橋正行社長が、おてんとSUN企業組合の玄関に姿を現しました。2015年11月、復興庁「『新しい東北』先導モデル事業」関連のイベント会場で話を伺ってから、8カ月が過ぎていました。
東日本大震災後、原発事故の影響もあり、いわき市の林業は深刻な状況に追い込まれてきました。そんな中、Iターンで林業の現場に飛び込み、地元の杉材を活用した高級割り箸の製造販売の事業を立ち上げた高橋さんは、大きなインパクトで受け止められてきました。グッドデザイン賞、ふくしま産業賞などの受賞歴もあり、順風満帆というイメージでした。
その高橋さんから「今後を考えた時にこのままでは足りない」と、杉材のチップを使う枕の企画を進めていることを聞かされました。思わず「何かコラボできないでしょうか。同じいわきで復興に取り組む者同士として」と話を持ちかけずにはいられませんでした。
これまで、福島で農業再生を進めてきた「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」ですが、地域の事業者と思いを共有するコラボ製品はありませんでした。この申し出を受け止め、福島など国内産オーガニックコットンが10%含まれた生地のオリジナル枕カバーを付けてくださることになりました。織りにもこだわり、柔らかな風合いのワッフル生地が採用されました。
手にした枕からは、杉の柔らかな香りが立ち上ります。クッション性の高い生地の開発に半年間苦労したという中袋は弾力があり、杉のチップが入っていることを感じさせません。杉材の木肌を思わせるような色合いの枕カバーが全体を覆っています。福島生まれの逸品ができた手応えを感じ、企画にかかわれた喜びが湧き上がりました。
いわきおてんとSUN企業組合
代表 吉田恵美子