震災からの復興

2015年03月06日

 

自分を追い詰めないで

Keywords:  震災復興 

 

写真:つぼトントンセラピー講習会
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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2014年5月9日に掲載された、心の癒しへの取り組みをご紹介します。

震災後の心身の疲労が原因で亡くなる「震災関連死」。避難者が13万人を超える福島県のデータ(2014年5月7日公開)では「震災関連死」が1,699人で、津波や地震による「直接死」1,603人を上回っています。また、いわき市では震災後に人口が流入。市によると、市内への避難者は2万人以上、仮設住宅は焼く3,500戸に上ります。避難の長期化で家族や地域のつながりが薄れ、孤立する被災者も少なくありません。

メンタルヘルスプルグラムの一環として、NPO法人JKSKはこれまで宮城県の気仙沼と石巻で、「つぼトントンセラピー」講習会を行ってきました。欧米では、元兵士のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の解消、ハイチ地震、ルワンダ内戦の犠牲者などに用いられており、東洋の気の思想と西洋の心理セラピーを統合したテクニックです。

心の問題が深刻化する福島県でも開催してほしいという声もあり、ハートサークルの溝口あゆかさんとセラピスト6人の協力で、4月21、22日にいわき市で「つぼトントンセラピー」講習会を実施。2日間で約70人が参加しました。

震災と日常生活の複合した心の疲れと、1人で頑張らなければならないという思いから、ますます自分を追い詰めている様子が参加者から見受けられました。仮設暮らしの孤独感、喪失感、家庭や職場の人間関係、さらに根底には経済不安もあります。

講習会が進むにつれ、参加者の表情も和らぎ、終了後のアンケートでは「今までは感情を抑えていたが、感情を引き出すことによって、ストレスを解放できると知った」「気持ちが楽になった」「こんな不思議な感覚は初めて」などの感想が。悩みを聞いてもらう、涙を流すということだけでも自分の癒しにつながったようです。

NPO法人JKSK結結プロジェクト事務局 相川ふみ

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