2013年09月13日
Keywords: 再生可能エネルギー 地方自治体 大学・研究機関 環境技術
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仙台市は2013年4月24日、東日本大震災で被災した南蒲生浄化センター内に、藻類バイオマスの研究・開発の拠点となる「仙台・南蒲生 藻類バイオマス技術開発実験室」を開所した。同市は筑波大学、東北大学と共同して、下水処理とエネルギー生産を融合した新しい循環型システムの実現を目指す。
2011年11月に締結した共同研究協定に基づき、筑波大学が「藻類の生産技術の確立」、東北大学が「オイル抽出・生成技術確立」、仙台市が「下水処理施設を中心とした協力」の役割を分担して取り組む。
藻類の中には石油に近い成分のオイルを含むものもある。そういうオイルは燃料・エネルギー源だけでなく、他の用途の可能性もある。藻類のオイル生産効率は陸生油脂植物の数十~数百倍と言われる。またその生産に耕作地を必要としないため、食料生産と競合しない。
筑波大学で発見されたオーランチオキトリウムという藻は、光合成をせずに、下水や汚泥に含まれる有機物を取り込んで増殖し、従来の藻に比べて10倍以上の油を生産する。ボトリオコッカスという藻は光合成して増殖するが、下水処理水に含まれる窒素やリンを栄養として利用する。これら藻類を用いて、下水を処理すると同時にオイルの生産技術を確立する。