2010年07月11日
Keywords: 再生可能エネルギー 企業(製造業) 大学・研究機関
飲料大手のアサヒビールと農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センターは2010年4月13日、新品種サトウキビを用いて、従来の砂糖生産量を確保しながら、バイオエタノールを大量生産できる「砂糖・エタノール複合生産プロセス」を開発したと発表した。製糖用従来品種と比べバイオマス生産量が50%、糖収量が30%多い高バイオマス量サトウキビを用いて、従来の砂糖生産量を維持しながら、耕作地面積あたり5倍以上のバイオエタノール生産を見込めるようになった。
従来は、十分な砂糖の量を取り出すため、砂糖結晶と糖蜜とを分離する結晶化という工程を3回実施していたが、新規開発のプロセスでは、結晶化の工程を1回に減らしても、高バイオマス量サトウキビによる製糖原料の増大によって、従来と同程度の砂糖が回収できる。そして1回結晶化後の糖含量の多い糖蜜をエタノール原料とすることで、大量のエタノールを生成することができる。
この研究は、アサヒビールの持つ発酵・エタノール抽出技術と、農研機構九州沖縄農業研究センターの持つ高バイオマス量サトウキビ品種育成技術とを組み合わせて開始されたもの。今後2年間で「砂糖・エタノール複合生産プロセス」の技術的な検証を実施し、実用レベルに技術を高めていく考え。
バイオマスエタノール、製造から自動車燃料としての利用までの実証研究を開始(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/023905.html
エネルギー原料用に高収量サトウキビを共同開発(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/023337.html
アサヒビール―『砂糖・エタノール複合生産プロセス』を開発!
http://www.asahibeer.co.jp/news/2010/0413_4.html
登録日時:2010/07/11 06:00:15 AM