生物多様性・食糧・水

2006年03月15日

 

野生のクマが棲める豊かな森を NPO「日本熊森協会」

Keywords:  生態系・生物多様性  NGO・市民 

 

NPO「日本熊森協会」は、実り豊かな森を再生・保全し、そこに棲む大型動物の絶滅を止めることを目的に、1997年に兵庫県内で発足した。きっかけは、絶滅の危機にあるツキノワグマを救おうと立ち上がった県内の中学生の活動だった。

日本の森は1950年以降に行われた針葉樹の植林や、スキー場などの開発の結果、広葉樹が伐採され、クマなどの大型動物が食べる木の実が激減した。棲息地を失った野生動物が農作物を荒らすなどの被害が各地で起き、その結果多くの野生動物が駆除されている。

同協会によると、現在の国内のクマの推定棲息数は、北海道のヒグマ、本州のツキノワグマを合わせて1万-1万3000頭。九州のクマはすでに絶滅したとみられている。一方、2004年に駆除されたクマは全国で2000頭に上り、このままでは絶滅の危険があるという。

協会では、兵庫県内の森を中心にクヌギやミズナラなどの実のなる木を植え、本来棲んでいた場所にクマをとどめ、人間との棲み分けを目指す。「大型動物が棲める森は、生態系のバランスが良く、土壌に豊かな水を蓄え、人間を含むすべての生き物にとって必要なものなのです」と協会では話している。




登録日時: 2006/03/15 09:30:06 AM

英語記事はこちら


 


 

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