生物多様性・食糧・水

2005年02月18日

 

枯れかけた神木 NPOの力で蘇る

Keywords:  生態系・生物多様性  NGO・市民 

 

京都市の岩屋神社の御旅所にある、樹齢60年ほどの神木、オオクスノキが、2003年夏突然枯れ始めた。神社は、地域の住民に長年親しまれてきた神木を何とか保存したいと、人と自然が調和する環境づくりを目指すNPO法人「杜の会」に相談。同NPOが原因を調査して、環境の改善に取り組んだところ、みごとに樹木が蘇り、2004年夏、青々とした葉を茂らせるまでに回復した。

この神木は、京都と奈良を結ぶ旧奈良街道の十字路に立っている。古い歴史を持つこの街道も、今はバス、乗用車、トラック等が排気ガスをまきちらしながらひっきりなしに往来するアスファルト道路である。

「杜の会」の調査によって、アスファルト舗装、コンクリートの側溝、バス停のコンクリート支柱などで古木の根が痛めつけられ呼吸不良をおこし、さらに必死に側溝にまで伸びた根が、側溝内にたまったへドロを根元に呼び込むことになり、生育に異変が起きていたことが分かった。

周囲のアスファルト、コンクリートを剥がし、土壌を掘り耕し、通気管、排水管を通す一方、側溝にはヘドロがたまらないよう担当行政に協力を依頼し、工事を終えた。その後、冬から春にかけてケアを続けた結果、神木はゆっくりと回復し、みごとに新緑をふいた。調査、工事にあたった「杜の会」の矢野智徳さんは「樹木は一見強そうにみえますが、環境が変化すると、それに耐えられるだけ必死に耐え、耐えられなくなった時、急速に傷んだり命を終えていったりするんですよ」と語っている。



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登録日時: 2005/02/18 10:18:02 AM

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