2017年06月18日
消滅の危機にある古民家を村に見立て、再生させていくプロジェクト「シェアビレッジ」の取り組みが、2015年から行われている。プロジェクトの根底にあるのは「村があるから村民がいるのではなく、村民がいるから村ができる」という考え。多くの人で1つの家を支える仕組みで、古民家を村に変える。
シェアビレッジの村民になるための条件は、「年貢」と呼ばれる年会費3,000円を支払うこと。村民になると、自分の好きな時に自分の村へ行くことができ、自分なりの楽しみ方が可能だ。村民には、村に行かなくても楽しみがある。村民だけが集まる飲み会「寄合」が、定期的に都市部で開催される。村民同士が気軽に楽しめる飲み会で、村について語り合う。
2017年3月現在、シェアビレッジには2つの村がある。ひとつは、秋田県五城目町にある築135年の茅葺古民家。五城目町の人口は約1万人。520年の歴史を誇る朝市を中心に、職人や造り酒屋が集積し、農林業をベースとした暮らしが営まれている。
もうひとつは、香川県三豊市仁尾町にある築100年を超える瓦葺の屋敷。仁尾町は人口6,000人を切る小さな町。漁業、塩作り、お酢作りが古くから町の伝統を築きあげ、町を囲う山々にはみかん畑がある。
「シェアビレッジ」は、全国の古民家を村に変えていきながら、「100万人の村」をつくることを目指す。