教育

2016年04月07日

 

仲間たちとの協力と協働を通して ~ ecoconから学んだこと

Keywords:  教育 

 

写真:全国大学生環境活動コンテスト
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全国大学生環境活動コンテスト(ecocon)は2003年以来、年に1回のペースで開催されています。全国から環境活動を行っている高校生・大学生・大学院生が集まり、活動内容を発表。ワークショップを通して切磋琢磨しあいながら、活動をより良くしていくことが目的です。若者たちはecoconを通してどのように成長していくのか、第13回ecocon(ecocon2015)学生代表の橋本雄太さんが、自らの経験を基にecoconからの学びについて纏めてくださいましたので、ご紹介します。

2015年12月26~27日の2日間で、ecocon2015を開催しました。今回は44団体がエントリーする中で、選考委員の投票でグランプリは鹿児島大学SCPに決定され、環境大臣賞が授与されました。また、準グランプリと会場の投票で選ばれる会場賞が、九州大学自然環境研究会Q-NERSに授与されました。

毎年テーマが変わるのですが、今年のテーマは『環協』でした。環境問題の解決に向かって日々努力を重ねているのは、たった一人の誰かではありません。様々な立場の人々が、自分なりの方法で環境問題に立ち向かおうとしています。私たちは、普段の活動の中で忘れがちですが、皆、同じで「環境問題の解決に向けて」活動している仲間です。その仲間たちとの協力と協働があってこそ、より大きな成果が得られると考えています。

そこで、私たちは『環協』というテーマに即したコンテスト、並びに年間を通してのイベントを多く開催してきました。他の学生の環境活動団体とコラボしてイベントを開催することで、今までと違った学生の勢いを感じました。今まで私たちだけでも色んな種類のイベントを開催しましたが、他の団体の学生と一緒にやることで、違う視点でアイデアが出てきたり、自分達だけでは出来なかったことが実現できたりと、『環協』することの可能性は無限大です。

しかしながら、もちろん大変なこともあります。普段、一緒に活動していない人達ばかりですから、全体で話が進まないことも多々ありました。僕自身もとても苦労したことを覚えています。それでも不思議なことに、誰も投げ出そうとしませんでした。皆がそのイベントを成功させることだけに集中していました。

環境問題に立ち向かうという、たったその想いだけで人々がこんなにも協力して動けるなんて夢にも思いませんでした。「早く行きたかったら一人で行け。遠くまで行きたかったら皆で行け。」という言葉がありますが、皆、このことを頭ではなく心で理解していたのだと思います。

ecocon2015は、終了後も反響が大きく、コンテスト自体も入賞した団体も新聞記事に取り上げられるなどしています。記事になっただけで驚くことではないかもしれませんが、少しでも自分達の活動を社会に発信したいと思う心はどの団体も同じです。そして、社会に発信するということで責任感が強くなり、モチベーションが高まるのだと思います。

また、私自身も代表という立場を務める中で、メンバーとの協力と協働の上に成長したように感じています。団体運営能力や企画立案能力など、技術的な面での成長はもちろん感じます。その中でも、特にコミュニケーション能力の成長が著しいように思います。何をしたいのかを一緒に話し合い、その過程で根本的な問題意識を探っていく。そして、その問題意識を反映させた企画を作るということは、「自分自身が今後、どのようにして生きていきたいか」という疑問への答えの一端を見つけ出す作業でもあります。

このようにして自分自身の問題意識と向き合うことによって、ecoconが終わった後でも自分なりの軸を持って活動を続けていくことができます。つまり、相手との対話は自分自身を成長させることに直結するのだということが分かりました。

これからもecoconは続いていき、多くの学生を巻き込んでいくと思います。巻き込んでいくときに大切なのは『環協』です。このテーマが、後世にずっと続く軸であることは間違いないでしょう。そして、自分と他者との違いを明確にしながらも協力し合うことで、環境問題という大きな怪獣を倒すことが出来ると信じています。

第13回全国大学生環境活動コンテスト学生代表
橋本雄太

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