震災からの復興

2015年12月09日

 

体験発信し未来に貢献

Keywords:  震災復興 

 

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東日本大震災の被災者支援プロジェクト「JKSK結結プロジェクト」が、東京新聞への連載を通じて被災地復興の様子を伝える「東北復興日記」。今回は、2015年4月24日に掲載された、被災体験を発信する取り組みをご紹介します。

「大切な人を守りたい」。これは命あるものに共通する思いです。極寒の2月、6歳の娘の「あれ何?」という言葉に見上げた街路には、国連防災世界会議のフラッグが風に揺れていました。不意に、東日本大震災の時、3歳だった娘と職場の部下、障害のある義父母を「守らなければ」と必死に走ったことを思い出し、涙がこみあげました。

先月14日から5日間、仙台で開かれた会議には187の国連加盟国をはじめ、国内外から延べ15万人以上が参加し、国内史上最大級の国際会議となりました。NPO、市民団体をはじめ、医療、福祉、建築、農業、漁業などの生業を持つ人が参加・発信したことで、私たちの暮らしが「多様な主体の協働」で成り立ち、「誰かが誰かの支えになっている」ことを市民が実感しました。

私は「女性と防災」テーマ館で、避難所の運営を考える「仙台版防災ワークショップ みんなのための避難所作り」を行いました。他県の参加者と東北で被災した女性が1つのテーブルでアイデアを出し合う様子を外国人にも見ていただき、会議に合わせて製作した英語版テキストを喜んで持ち帰ってもらいました。

NHKの全国放送でも紹介され、いろいろなメディアから連絡があります。「乳幼児を抱えて避難所生活をした方を紹介してほしい」。そんな問い合わせに母親たちの第一声は「私なんかお役にたてません」でしたが、津波の被害に遭った小学生がシンポジウムで勇気を出して発信する姿に接し、「役立つなら」と体験を語る重要性に気づく契機となりました。

体験を語り、市民発の防災・減災の手法を伝え、復興に取り組む姿を発信することが、国内外の未来の被災地に貢献できることだと思います。

せんだい防災プロジェクトチーム
眞野美加(まのみか)

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