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2014年01月30日

 

産総研など 焼却灰から放射性セシウムの除去技術を実証

Keywords:  環境技術  化学物質  原子力  大学・研究機関 

 

Prussian Blue nanoparticle absorbentPBナノ粒子を利用した粒状吸着剤充填カラム(左)と不織布状吸着剤充填カラム(右)
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産業技術総合研究所(産総研)グリーンテクノロジー研究グループは2013年11月20日、 企業などと共同で、放射性物質に汚染された樹木や枝などを焼却した際に排出される高濃度の放射性セシウムを含んだ灰から、プルシアンブルー(PB)というナノ粒子吸着剤を用いて放射性セシウムを抽出し固定化する技術を実証したと発表した。

計10トン以上の汚染物を焼却して約80キロの焼却灰にした後、水で放射性セシウムを抽出しPBを加えて回収し固定化させた。汚染物の種類や焼却条件を変えて11回の焼却試験を行った。焼却条件を調整することで、灰中の放射性セシウムを60%~90%除去することができ、特に1キロあたり10万ベクレル以上の汚染物の重量は1700万分の1に低減できた。使用した灰除染実証プラントは、1日24トンの焼却炉に対応できる。

震災による原発事故の除染で、放射性物質を含んだ廃棄物を貯蔵や保管する施設の確保が難しい現状において、今後は実用プラントの開発によって除染廃棄物の減容を実現するとともに、都市ゴミ、災害がれき、バイオマスなどの焼却灰の除染にも貢献することを目指すとしている。

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