2012年12月27日
東京大学大学院特任教授の阿部力也氏が代表理事を務める非営利社団法人のデジタルグリッドコンソーシアムは2012年9月13日、インターネットに似た独自のネットワーク上で電力融通できる世界初の電力ルーターを試作したと発表した。同氏は、自然エネルギーの大量導入を容易にする新しい分散自立型電力供給システムを実現する技術であるデジタルグリッドの発案者。
この電力ルーターは「デジタルグリッドルーター」と呼ばれ、貯蔵や発電能力を持たせて自立化させた「セル(小区画)型電力供給システム」を従来の基幹電力系統に非同期に接続し、情報に基づいて電力を相互融通するというデジタルグリッドの中核的役割を担う。
具体的には、電力の大きさを自在に分割して任意のセルへ送受電する電力変換装置で、独立した電力パケットを電力ルーター毎に割り振られた専用アドレスと紐づけて送配電線上で送ることができる。
開発はNEC、日立製作所、オリックス、兼松エレクトロニクス、日本ナショナル
インスツルメンツ、積水化学の6社と東京大学の連携により行われた。実証実験は2013年春を目途に同コンソーシアムのアドバイザーである米電力研究所(EPRI)により米国で実施予定。
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