政策・制度・技術

2011年12月18日

 

産総研、低濃度の酸で土壌中のセシウム抽出に成功

Keywords:  環境技術  化学物質  大学・研究機関 

 

JFS/AIST Succeeds in Extracting Cesium from Contaminated Soil Using Low-Level Acid
Copyright 独立行政法人産業技術総合研究所


独立行政法人産業技術総合研究所は2011年8月31日、土壌中のセシウムを低濃度の酸水溶液中に抽出する技術を開発したと発表した。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、大量の汚染土壌の処理が課題の一つとなっている。高濃度の酸を用いた放射性セシウムの抽出方法はすでに知られているが、取扱いの難しさやコストの高さなどの問題があった。

今回開発された技術では、土壌の重量に対する酸水溶液の重量比を上げ、200度の高温で処理することで、大半のセシウムイオンを低濃度の酸水溶液中に抽出できる。さらに、プルシアンブルーという合成顔料を使用したナノ粒子吸着剤で、抽出したセシウムイオンの回収にも成功した。土壌からの抽出と吸着剤による回収の組合せにより、放射性廃棄物の総量の減少につながると期待される。

今後は処理温度や酸濃度などの最適化、プルシアンブルー使用量の低減化などの技術改良を進める。また、協力企業を募り実証試験を進めていく。さらに、汚泥や焼却灰など他の汚染物質の除染への活用も検討する。

登録日時:2011/12/18 06:00:15 AM

English  

 

参照元

産業技術総合研究所 土壌中のセシウムを低濃度の酸で抽出することに成功
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110831/pr20110831.html
産業技術総合研究所 プルシアンブルーを利用して多様な形態のセシウム吸着材を開発
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110824/pr20110824.html


 

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