2013年09月17日
Keywords: 再生可能エネルギー 企業(非製造業) 地球温暖化
中国電力は2013年4月10日、既設ダムからの河川維持流量を活用した「維持流量発電」を行う高野発電所が営業運転を開始したことを発表した。これまで未利用だった水力エネルギーの有効活用を図るため、広島県と島根県の県境にある神野瀬発電所高暮ダムの直下に建設されたもの。
河川維持流量とは、水力発電のために必要となるダムからの取水に先立ち、下流河川の自然環境・水利使用および漁業等に支障を与えないよう、優先的に常時放流されている水流を指す。この優先放流量を利用する水力発電が「維持流量発電」。
高野発電所は高暮ダムの既存設備に併設され、コスト低減のため、従来の水車に代えて汎用品のポンプに水を流し、ポンプ内の水車を逆方向に回転させることで発電を行う「ポンプ逆転水車」を採用した。総工事費は約2億円。
神野瀬発電所の最大出力2万キロワットに対し、高野発電所は同140キロワットと小規模だが、年間で一般家庭300世帯分の使用電力量に相当する約100万キロワット時を発電でき、年間約700トンの二酸化炭素削減効果が見込まれている。