エネルギー・地球温暖化

2013年03月11日

 

被災地にひろがる木質バイオマスの利用

Keywords:  再生可能エネルギー  企業(製造業)  地方自治体 

 

JFS/Woody Biomass Use Spreading in Disaster-Affected Areas JFS/Woody Biomass Use Spreading in Disaster-Affected Areas

2011.3.11の震災で、あらゆるインフラを失った被災地では、復興とエネルギーの地産地消を目指し、木質バイオマスを利用した循環型のインフラで新しい街を作っていこうという動きが広がっている。

宮古市と国内の大手企業は2012年末、市内の被災地区に木質バイオマス発電施設を建設するプロジェクトを発表した。間伐材を燃料に電気・熱・水素の3種類のエネルギーを供給するという。東北地方の豊富な森林資源を利用し、チップ化した間伐材を燃やして発生したガスで電気と熱、水素を生み出すとのこと。彼らはこれを「宮古モデル」の再生可能エネルギー利用スタイルとして広めたいと意気込む。

被災地の各地で「これから復興する街は、地域のエネルギーを自給自足する」という明確なビジョンが共有されていて、これには「何かが起こった時に、国や企業の助けだけに頼らず、自ら行動できるようにありたい」という地域の誇りと、自立への願いが込められている。

津波によって家を流された気仙町の人たちのために、隣の山間部にある住田町が用意した木造の仮設住宅にはNPOらによってペレットストーブが設置された。仮設住宅にあわせて小さく改良されたストーブは「MT311 SUMITA型」と名付けられ、今、全国に向けて販売されている。

何もかも失った被災地だからこそ、他の地域にはできないアドバンテージがある、その希望の芽に注目している。

私の森.jp
赤池円

関連のJFS記事:
木質バイオマスから水素を製造する商用プラント 2012年4月に稼動へ

English  

 

 

このページの先頭へ