2011年02月20日
物質・材料研究機構は2010年10月5日、従来材料に比べ約10倍の熱凝集耐性を備えた排ガス触媒材料の開発に成功したと発表した。自動車排ガスなどの清浄化触媒に使用する白金、パラジウム、ロジウムなどの貴金属の使用量削減に役立つ。
開発した材料は、ポリスチレンの微細粉末表面に白金被膜を析出させた後、500℃まで加熱してポリスチレンを気化させ作る。気化ガスが抜ける時にできる直径1000分の1mm程度の細孔を持つ直径100分の1mm程度の中空の白金球体(メタリック・セル)である。
従来の白金触媒には、高温にさらされると触媒同士が接着・融合し、触媒活性点が減少する結果、触媒活性が低下する熱凝縮という課題があった。メタリック・セルでは白金の触媒活性点が球の殻の内面にあり、排ガスはセルの細孔から出入りするので、セルが熱凝集しても触媒活性点が減少することなく触媒活性を維持できる。
同機構は、メタリック・セルが白金だけでなく他の多くの触媒活性金属に対して幅広く適用可能であること、排ガス清浄化技術にとどまらず、燃料電池技術や環境・エネルギー技術におけるレアメタル使用量の大幅な削減を可能にすると述べている。
マツダ、貴金属の使用量を7割削減した排ガス浄化触媒を実用化(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/028900.html
登録日時:2011/02/20 06:0.0:15 AM
従来材料比10倍:熱凝集耐性排ガス触媒の開発に成功
http://www.nims.go.jp/news/press/2010/10/201010050/
p201010050.pdf