2010年10月07日
東北大学は2010年7月14日、東北電力と共同で、非食料バイオマスである海藻から効率よくエタノールを生産する技術を開発したと発表した。
人類がエネルギーとして大きく依存する化石燃料は、二酸化炭素による地球温暖化への影響のみならず、いずれ枯渇してしまうことが懸念され、代替エネルギーの模索が急務である。トウモロコシや大豆など食料資源を原料とするバイオエタノールが一つの候補とされているが、一方で食料価格の高騰を招く等の弊害もあり、非食料バイオマスを利用したバイオエタノール生産技術が求められている。
大型海藻である褐藻は、世界の沿岸海域に生息し、その生産量は海洋で最も多く、熱帯雨林に匹敵するほど。食料資源代替原料として期待されているが、海藻と陸上植物との構成成分が大きく異なるため、海藻からバイオエタノールを生産することは困難とされていた。
今回の研究では、食料資源と競合することのない褐藻類を利用し、エネルギー消費工程を少なくしてバイオ燃料やバイオエタノールを効率よく生産できるようになった。今回開発した技術は褐藻に限らず海藻全般に応用可能なことから、世界各国のエネルギー問題に貢献する可能性を秘めている。
非食用植物によるバイオエタノール製造 2015年をめどに共同研究(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/028958.html
海藻からの高効率エタノール生産技術の開発
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2010/07/press20100715-01.html
登録日時:2010/10/07 06:00:15 AM