政策・制度・技術

2008年08月10日

 

産総研など、電源不要で持ち運びできる浄水装置を共同開発

Keywords:  環境技術  企業(製造業)  大学・研究機関  政府   

 

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Copyright (独)産業技術総合研究所・健康工学研究センター

産業技術総合研究所四国センターは2008年4月15日、災害等非常時において被災者の生命と健康を守る上で必要となる安全な飲料水を製造・供給するため、電源を必要としない、持ち運び可能な浄水装置を開発したと発表した。同センターにある健康工学研究センターと帝人エンジニアリング株式会社などの企業、香川大学などの研究機関による共同プロジェクトの成果である。

災害時には地下水の利用などが必要となるが、地下水には有害な硝酸イオンで汚染されている場合があり、そのままでは飲料に適さない。共同プロジェクトでは硝酸イオン選択性吸着剤および本吸着剤微粒子を担持した成形吸着材の開発に成功した。これにより高速処理が可能になり、装置の小型化が実現した。

試作機により硝酸イオン濃度が水質基準以上である井戸水を使って実証試験を行った結果、手動で通水ができ、飲料水「適合」の処理水が得られることを実証した。1リットル程度のカラム容積で処理できる飲料水は、1時間に約60人分に相当する。

本浄水装置は井戸水に限らず、原水の範囲を広げることも可能である。商品化には改良・改善が必要であるが、今回開発された成果をもとに、帝人エンジニアリングを中心に今後1年をめどに事業化を目指す考え。



登録日時: 2008/08/10 07:56:40 AM

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