2006年02月15日
NEDO技術開発機構は2005年10月17日、青森県八戸市に約5kmの専用電力線(自営線)を用いた「新エネルギーによる分散型エネルギー供給システム」を構築し、市庁舎や小中学校などに電力供給する実証試験を開始したことを発表した。経済産業省の新エネルギー技術開発プログラムの一環として行われており、愛・地球博などでも同様の実証試験が行われてきたが、自営線を用いるのは世界的でも初めて。ガスエンジン、太陽光、風力発電などの供給能力は合計で710kW。
小規模な特定エリア内に複数の分散型電源などを導入し、全体を制御・運用することで、供給先の需要に合わせた運転を行うマイクログリッドシステムが近年注目を集めているが、本システムでは、太陽光発電や風力発電といった天候に左右される自然エネルギーと、下水処理場の汚泥ガスを利用したガスエンジン発電や蓄電池などを組み合わせて制御することで、100%再生可能エネルギーによる電力供給が可能となる。最適な電力と熱の供給が可能となるうえに、バイオマス資源も利用できるようになるため、システムの導入により80%ものCO2削減効果も見込まれている。
NEDOは約2年間の実証期間を通じて、供給電力などの品質、コストなどのデータを収集・分析するとともに、経済性や環境性を評価し、最終的には商用電力系統から切り離した単独系統下での運転試験の実施も予定している。
登録日時: 2006/02/15 11:43:13 AM
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