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2018年02月08日

 

理研、植物の耐塩性向上研究で成果

Keywords:  環境技術  食糧 

 

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イメージ画像:Photo by ひでわく Some Rights Reserved.

理化学研究所(理研)は2017年11月7日、環境資源科学研究センターにおいて植物の耐塩性に関わるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を発見したと発表した。塩害は農作物の収量低下や砂漠化の進行につながることから、塩ストレスに強い植物の開発が進められている。

理研では、エピジェネティック制御(DNAのメチル化や、ヒストンのアセチル化、メチル化などの化学的な変化により制御される、DNA配列の変化を伴わない遺伝現象)を一つの手法として、植物の耐塩性向上を研究している。

今回、モデル植物であるシロイヌナズナの遺伝子ファミリーを形成するHDACの中で、HDA19の機能抑制が耐塩性を向上させることが分かった。また、別のグループに分類されるHDACの機能抑制は植物の耐塩性を弱めるが、この作用はHDA19の機能抑制による変異を導入することで解消されることも明らかになった。

以上から、HDACの機能抑制が植物の耐塩性向上につながることが証明されたので、植物のHDACに特異的に作用し、環境ストレス耐性を向上させるHDAC阻害剤の実用化に一歩近づいた。実用化されれば、同阻害剤を散布することで塩害の防止が期待できる。

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