政策・制度・技術

2013年12月22日

 

海洋研究開発機構海底から噴出する熱水と海水を燃料とする発電に成功

Keywords:  環境技術  再生可能エネルギー  政府 

 

Electricity_from_Hot_Water_and_SeawaterCopyright 独立行政法人海洋研究開発機構 All Rights Reserved.

海洋研究開発機構は2013年9月3日、理化学研究所との 共同で沖縄トラフに人工的に作られた深海底の熱水噴出孔において、熱水と海水を燃料とする燃料電池による実発電に成功したことを発表した。

化石燃料に頼らない発電方法と して、様々な海洋エネルギーを電力に変換する技術が研究されており、海洋資源の開発を行う上でも重要なものとして注目が集まっている。海底から噴き出す熱水には硫化水素のように電子を放出しやすい物質が多く含まれており、一方で周辺の海水には酸素のように電子を受け取りやすい物質が多く含まれている。この熱水と海水の間の電子の受け取りやすさの違いに注目し、熱水噴出孔とその周辺海水にそれぞれ電極を設置する方法で燃料電池を構築し、発電を行った。

海底熱水活動域での発電としては、これまで温度差や蒸気を利用したものが研究されているが、より単純な装置で発電でき、腐蝕にも強いことから、自律的な電力の安定供給に一層適していると考えられる。

今後は、長期的な耐久性を実証した上で、研究・開発が活発化する深海熱水活動域の現場において、長期にわたり電力を供給するための重要な技術となることが期待される。

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