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2013年12月03日

 

理化学研究所 ラン藻の水素生産量を2倍以上増加させることに成功

Keywords:  環境技術  再生可能エネルギー  大学・研究機関 

 

cyanobacteriaイメージ画像: Photo by Dave Thomas. Some Rights Reserved.

理化学研究所の研究グループは2013年9月11日、光合成を行う微生物「ラン藻」を遺伝子改変することにより、水素生産量を2倍以上に増加させることに成功したことを発表した。

水素は燃焼しても二酸化炭素を排出しないことから、化石燃料に替わる次世代のクリーンエネルギーとして期待されている。現在、主に使用されている水素製造法は、天然ガスや石炭を水蒸気と反応させる「水蒸気改質」であるが、資源の枯渇問題、環境問題などから、太陽光などの自然エネルギーを利用した水素の生産が求められている。

過去の知見から、研究グループはRNAポリメラーゼシグマ因子の1つで、ラン藻の炭素とエネルギーのバランスを制御するタンパク質「SigE(シグイー)」が水素生産に関与する可能性を見いだした。遺伝子改変により細胞内でSigEのタンパク質量を増やすラン藻を作製、観察した結果、水素の生産量を2倍以上に増加させることに成功した。

また、SigEタンパク質の増加に伴って、光合成の活性が変化すること、細胞の直径が約1.6倍増大することなど、細胞にさまざまな変化が起こることも明らかになり、藻類による水素エネルギー生産の基盤構築につながったとしている。

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