生物多様性・食糧・水

2013年01月28日

 

東京大学等 イネのカドミウムを抑制する遺伝子を発見

Keywords:  食糧  大学・研究機関 

 

東京大学大学院農学生命科学研究科は2012年11月6日、農業環境技術研究所との共同研究で、イネのカドミウム吸収を抑える遺伝子を発見し、また検出できる遺伝子マーカーを開発したと発表した。

遺伝子マーカーとはDNAの塩基配列の違いのことで、個体を識別する際の目印になる。同マーカーを用いることで、遺伝子組換え技術なしに、通常の交配で容易に品種改良が行え、低カドミウムのイネを作ることができる。

同技術により、客土による汚染土壌の入れ替えや湛水処理が不要となるだけでなく、落水管理の実施でコメ中のヒ素濃度の低減や温室効果ガスであるメタンが水田から発生するのを削減することも可能となる。またコメに含まれるカドミウム濃度が大幅に減少し、コメを主食とする人の健康維持に貢献するとしている。

この研究手法は放射性セシウムにも同様に用いることが可能で、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性降下物の土壌汚染と食品汚染の問題解決に向けても重要な示唆を与えるとしている。

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