2012年11月03日
Keywords: 環境技術 再生可能エネルギー 大学・研究機関
「ブローホール(潮吹穴)波力発電」の実証研究が、福井県越前海岸にて開始されることとなった。環境省が委託または補助により行う「平成24年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業」の採択案件(23件)の1つで、東京大学先端科学技術研究センターの飯田誠特任准教授により、2012年度から3年にわたり行われる予定。
ブローホール(潮吹穴)とは元来、波の浸食によって海岸の岩にできた穴で、波の圧力で海水が地上に吹き出すもの。同研究が提案する発電システムでは、海岸の岩盤に人工の穴をあけ、波の上下動に対応して穴の内部を往復する空気でタービンを回し発電する。
一般的な波力発電と異なり空気圧力の安定化を不要としたため、大規模な人工構造物の建設を必要としない自然共生型システムであり、経済・環境の両面でコストが低く、かつ津波等の災害にも強いことが特長。発電量は20KW程度が見込まれている。
2012年度は福井県越前町の海岸で適地を探し、環境影響評価、タービンの開発および基本設計を行い、2013年度に工事着手、2014年度に試験開始が計画されている。
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