政策・制度・技術

2011年05月26日

 

新たな接合技術開発に役立つ昆虫の行為の秘密が明らかに

Keywords:  環境技術  大学・研究機関 

 

独立行政法人物質・材料研究機構は2010年11月9日、「接着と分離」を繰り返せる接合技術の開発に役立つ、昆虫が足を擦る行為の秘密が明らかになったと発表した。

同機構ハイブリッド材料センターでは、循環型社会実現に求められる「接着と分離」を繰り返せる未来の接合技術を開発・研究している。昆虫の歩行は、足と表面の「接着・剥離(分離)」の連続で、ガラスの表面を逆さまでも滑らずに歩けるのは、接着性に優れた特殊な毛が足の裏に生えているため。同センターはマックスプランク研究所(ドイツ)との共同研究で、この優れた接着性に着目し、昆虫(ハムシ)の歩行調査を行った。

研究では、表面の粗さをナノメートル単位で自由に作り出すナノ材料加工技術を開発し、ハムシにとって滑りやすい表面を作って調べた。ハムシ等の昆虫は足が汚れると足を擦るが、どのように汚れを感知するかはこれまで不明だった。この調査で、足が汚れていないのに足を擦る行為が増えたことから、ハムシは足の滑りやすさを汚れと感じて足を擦っていることが明らかになった。

この成果は今後、廃棄物の物質リサイクルに求められる接合技術等、生体模倣による新しい材料機能の開発研究に活用される。

【バイオミミクリ】形態・構造に学ぶ
http://www.japanfs.org/ja/pages/008924.html
「生物に学ぶ技術」を掘り起こす
http://www.japanfs.org/ja/join/newsletter/pages/027287.html

登録日時: 2011/05/26 06:00:15 AM

English  

 

参照元

昆虫が足を擦る秘密をナノテクノロジーで解明
http://www.nims.go.jp/news/press/2010/11/201011090/
p201011090.pdf

独立行政法人物質・材料研究機構
http://www.nims.go.jp/


 

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