政策・制度・技術

2011年04月23日

 

物質・材料研究機構など、高機能トランジスタ「アトムトランジスタ」を開発

Keywords:  環境技術  大学・研究機関  省エネ 

 

物質・材料研究機構は2010年12月24日、大阪大学および東京大学と共同で、従来に比べて圧倒的に低い消費電力で記憶も演算も行える新しいトランジスタ「アトムトランジスタ」の開発に成功したことを発表した。これにより電子機器の消費電力を大幅に減らすことが出来るのみならず、起動時間ゼロのPC等の実現が近づく。

半導体中を電子が移動する従来のトランジスタに対して、「アトムトランジスタ」は、わずかな金属原子を絶縁体中で移動させることにより動作するため、極めて低い消費電力で従来と同等の高いオン/オフ比を示す。さらに、電圧を制御することにより、状態を保持する記憶素子としても動作することがわかった。

演算素子と記憶素子を組み合わせてひとつの「記憶する演算素子」を形成した場合、記憶に要する消費電力が極めて高いことが実用化への障壁となっていた。「アトムトランジスタ」は、この記憶に要する消費電力を従来素子の100万分の1に、演算素子動作時の消費電力は半導体トランジスタの100分の1にした上で、さらに、演算と記憶の双方の機能を併せ持つことから、ひいては人間の脳のようなより柔軟なコンピューター回路の実現に寄与することが期待される。

ローム、世界初となる待機電気を不要にできる不揮発LSIを開発(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/024916.html
NTT、板バネ振動原理による省エネ型半導体素子を開発(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/024897.html
NEC、先端LSIの消費電力を最大50%削減できる技術を開発(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/028502.html

登録日時:2011/04/23 06:00:15 AM

English  

 

参照元

100万分の1の消費電力で、演算も記憶も行う新しいトランジスタを開発
http://www.nims.go.jp/news/press/2010/12/p201012240.html


 

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