生物多様性・食糧・水

2010年12月23日

 

豊田通商と近畿大学が提携し、世界初のクロマグロ完全養殖の商業化

Keywords:  食糧  企業(非製造業)  大学・研究機関 

 

大手商社の豊田通商と近畿大学は2010年9月10日、クロマグロ完全養殖事業における技術協力提携を発表した。豊田通商は全額出資の「ツナドリーム五島」を設立し、クロマグロ完全養殖の世界初の商業化へ踏み出す。

近畿大学の水産研究所では1970年からクロマグロの養殖研究に取り組んでおり、1979年に天然稚魚から飼育した親魚の産卵・人工孵化・飼育に成功、2002年に人工飼育した親魚の産卵から飼育まで世界初の完全養殖技術を達成した。2009年には人工孵化し体長25~30センチまで飼育した幼魚(ヨコワ)をクロマグロ養殖業者へ約4万尾出荷した。

従来型のクロマグロ養殖は、天然のヨコワを捕獲して飼育する。天然資源に頼るため、乱獲による減少の恐れ、捕獲量の不安定という課題がある。近畿大の完全養殖技術が解決策となり得るが、さらに生産尾数を拡大するためには、稚魚からヨコワまでの「中間育成」段階における大型イケスなどの施設が数多く必要になる。

ツナドリーム五島は、長崎県五島市福江島の海上にイケスを設置し、同研究所から体長約6センチの稚魚および中間育成ノウハウの提供を受け、ヨコワサイズにまで育て、これを養殖業者に販売する。

東海大学 「クロマグロ陸上養殖共同研究」の成果を公開(関連のJFS記事)
http://www.japanfs.org/ja/pages/030277.html

豊田通商と近畿大学、クロマグロ完全養殖事業で技術協力提携
http://www.toyota-tsusho.com/press/2010/09/20100910-3527.html
近畿大学水産研究所
http://www.flku.jp/

登録日時:2010/12/23 06:00:15 AM

English  

 


 

このページの先頭へ