政策・制度・技術

2010年11月07日

 

農研機構 ヘミセルロース成分を分解する細菌を発見

Keywords:  環境技術  再生可能エネルギー  大学・研究機関 

 

JFS/Hemicellulose-Degrading Bacterium Isolated from Livestock Feces
Copyright 畜産草地研究所

独立行政法人農研機構畜産草地研究所は2010年8月4日、ジョージア大学と共同で、稲ワラなどに含まれるヘミセルロースの成分であるキシランを分解し、70℃以上の温度でも増殖する新しい好熱細菌を羊のフンから発見したと発表した。増殖速度が最大となる温度が65℃以上である高度好熱嫌気性細菌が畜フンから単離されたのは、世界で初めて。

キシランを含む培地に羊フンを接種し、74℃の無酸素条件で培養を行った結果、キシランを分解する新規細菌を単離。この細菌は、キシランを炭素源かつエネルギー源として増殖し、ブナや樺の木由来などの様々な種類のキシランを、バイオ燃料などの原料として利用可能なキシロースに分解できる。無酸素条件下、44-77℃(至適70℃)の温度、pH5.9-8.6(至適7.2)で増殖可能。

この細菌は、カルディコプロバクター・オーシマイ(Caldicoprobacter oshimai)と命名され、新科として認定された。新科は「種」の上位分類の「属」の上位分類。同細菌株はアメリカの細胞バンクATCCとドイツの細胞バンクDSMZに寄託され、非営利目的で利用可能。

畜産草地研究所では、稲ワラ等の未利用バイオマスのバイオ燃料としての利用促進への応用とともに、新しい遺伝資源としても期待されるとしている。

羊のフンから新規の好熱細菌を発見!
http://nilgs.naro.affrc.go.jp/press/2010/0804/xylan_index.html

登録日時:2010/11/07 06:00:15 AM

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