政策・制度・技術

2008年11月24日

 

バイオマス廃棄物を安価にクリーン処理する技術を開発

Keywords:  環境技術  3R・廃棄物  再生可能エネルギー  大学・研究機関 

 

静岡大学大学院創造科学技術研究部エネルギーシステム部門の佐古猛教授を中心とする産学官グループは2008年4月8日、高温・高圧の水蒸気「亜臨界水」の中で、バイオマス廃棄物をクリーン燃焼し、その時に発生する熱エネルギーと無機肥料を有効利用する技術を開発したと発表した。世界初の技術として注目される。

この技術は、400℃、100気圧付近の高温・高圧の亜臨界水で満たされた第1反応器中にバイオマス廃棄物と空気を一緒に入れて燃焼し、その時発生した燃焼熱は回収して有効利用し、一方、同時に発生したアンモニアは、触媒を充填した次の第2反応器中で分解するというしくみ。家畜排泄物1トン(水分含有量0.8トン)を処理した場合、重油42リットル分の熱エネルギーを確保でき、その結果、約34キログラムの二酸化炭素削減効果がある。

国内で排出される食品廃棄物、下水汚泥、家畜排泄物、農業廃棄物などのバイオマス廃棄物は年間2億4000万トン、そのうち未利用分は7500万トンになる。今回開発した技術は、含水率が高く、悪臭が強く、腐りやすいバイオマス廃棄物を、最終的に、無害な水、二酸化炭素、窒素、肥料として使える無機残さに完全分解する。さらに、同時に発生した熱エネルギーは発電や暖房などに有効活用できるという。

数年後の実用化・装置の発売を目指しており、1日の処理量が1トンから5トンのプラントで、1億円から2億円程度になる見通し。農協、自治体、工場などで利用できるよう、運転コストの低減を進めていく。


静岡大学工学部物質工学科 佐古・岡島研究室
http://cheme.eng.shizuoka.ac.jp/~sakolab/index.html
静岡大学工学部
http://www.eng.shizuoka.ac.jp/

登録日時: 2008/11/22 06:11:37 AM

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