政策・制度・技術

2006年12月15日

 

光触媒を用いて、トマトの循環型養液栽培の実現へ

Keywords:  環境技術  大学・研究機関  食糧 

 

東京大学先端科学技術研究センター(東大先端研)と神奈川県農業技術センターは2002-05年、光触媒の能力をトマトの養液栽培の養液の浄化に利用する研究を進めてきたが、実証実験の結果、浄化しない場合に比べて収量が多いことを確認した。

現行のトマト養液栽培では、鉱物を加工したロックウールを培地に使う方法が主流だが、自然還元が難しいため、ヤシがらやモミがらなどの天然の有機質資材の代替培地が望まれている。しかし、有機質培地等から溶出する有機汚染物の分解及び病害拡散防止のため、殺菌を行う必要があった。また、培養液は窒素やりんなど無機肥料を水に溶かすが、掛け流し方式なので、植物が吸わなかった2 3割は廃液となる。

農業技術センターでは、天然の有機質培地を使用し、培養液をリサイクルするために、太陽光のみを利用した酸化チタン光触媒を用いた実験を行った。酸化チタンフィルターを用いて、給液タンクの有機物量を追跡した結果、培養液を循環させても、有機物量はほぼ一定を保ち、掛け流し式とほぼ同程度の濃度を維持できることが実証された。

また、収量も、浄化しないで循環させた場合と比べ、苗の伸びや葉の数も上回ることが確認された。同センターでは、東京大学、神奈川科学技術アカデミー、メーカーとともにこの技術の実用化に向けた試験研究に取り組んでいく予定。




http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/research/projects/2003/001/pdf/001.pdf


登録日時: 2006/12/15 06:28:28 PM

英語記事はこちら


 


 

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