エネルギー・地球温暖化

2005年04月29日

 

架線・バッテリーを併用するハイブリッド電車 走行実験に成功

Keywords:  省エネ  交通・モビリティ  大学・研究機関  環境技術 

 

財団法人鉄道総合技術研究所は2005年2月2日、架線からの電力授受と、車内に搭載したエネルギー蓄積装置を組み合わせた「ハイブリッド電車」の走行実験に成功したと発表した。

現在の一般的な電車では、走行時の運動エネルギーを電気エネルギーに換えて架線に返す回生ブレーキが用いられているが、自車の近くに他の電車が走行していない場合は、そのエネルギーが消費されず、回生ブレーキが効かなくなる回生失効が生じる。その場合には、車両は摩擦ブレーキを用いて停止するためエネルギーの回収ができず、さらには部品の消耗や劣化も生じる。

今回開発されたハイブリッド電車では、2003年8月に同研究所が開発した「架線レス・バッテリートラム(路面電車)」で用いた高性能バッテリーと、架線集電のハイブリッド構造を採用。これにより、回生ブレーキ時に発生した電気エネルギーをバッテリーに蓄えることができる。また、再始動時には蓄えた電気エネルギーを使用し、架線から受け取る電気エネルギーを減らすことができる。

同研究所では、今回の試験の成功により、回生失効を大幅に減らす電車や、電化・非電化路線のどちらにも対応できるトラム級車両の実現可能性が得られたと考え、2005年度以降、実車を用いた走行実験を予定している。




登録日時: 2005/04/29 06:16:21 PM

英語記事はこちら


 


 

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