2004年04月20日
Keywords: 環境技術 再生可能エネルギー 地方自治体 大学・研究機関
日本各地の豪雪地帯では毎年冬期になると、地下水を汲み上げて散水したり、路面に電熱線をはりめぐらせて放熱するなど、相当のコストをかけて雪対策に取り組むが、近年地中熱を利用した融雪システムが注目を集めている。
地中熱とは地下100m程度までの熱で、その地域の年平均気温にほぼ等しく、年間を通じて一定。地中熱融雪システムは、地中100mほどまで穴を掘り熱交換用の管を挿入、地面に敷いた放熱用の鉄パイプとの間をつないで不凍液を循環させ、採取した地中熱を路面に放熱させ雪を溶かす仕組み。自然エネルギーで融雪できるため、ランニングコストが非常に安くすむ。しかし問題は建設コストが高いことだった。
福井県雪対策・建設技術研究所は、この地中熱融雪システムのコスト削減に取り組み、このほど従来の建設コストの4分の1にまで下げることに成功。福井市内の橋での実用化にむけて2003年12月実験システムを完成させた。建物などの基礎杭を熱交換器として利用する技術などで、大きくコストを削減した。
また、夏場の太陽熱を冬期まで蓄熱する技術などによって、従来の電熱融雪システムに比べ、維持管理にかかるコストも20分の1となる。同研究所の河原俊厚研究員によると、これらの技術を融雪だけではなく建物の冷暖房の熱源にも利用できるよう技術開発の検討に入っている。
http://www.fklab.fukui.fukui.jp/yk/
登録日時: 2004/04/20 02:02:18 PM
英語記事はこちら