生物多様性・食糧・水

2002年12月30日

 

初の「全国雑穀サミット」開催される

Keywords:  食糧  NGO・市民  地方自治体  大学・研究機関 

 

雑穀が優れた健康食品として見直されてきていることを追い風に「雑穀王国・岩手」から雑穀の良さを全国に発信しようと、全国雑穀サミットが県などの主催で2002年9月13日-14日に開催された。全国各地から約500人が参加。

初日は、基調講演「雑穀は地球を救う」や事例報告「雑穀食ムーブメントの今、そして未来」、パネルディスカッション「雑穀の未来を考える-生産から消費までの連携のあり方について-」が行われた。夜には二戸市内のホテルで雑穀を使った多彩な料理で「雑穀グルメパーティ」が開かれた。2日目は、雑穀栽培ほ場見学や雑穀料理づくりを体験。

日本では、近年食の見直しムードが高まっており、スロー・フードなどの流行とともに、雑穀を食卓に取り戻そうという運動も広がっている。雑穀とは、米、小麦以外の穀物の総称で、世界的には把握できないほど多種多様な種類がある。雑穀は胚芽を取り除いた米や麦と違い、種子を丸ごと食べるため、カルシウム、たん白質、鉄分などが豊富で優れた食品。

現在の日本では、「ごはん」というと白米というのが常識だが、日本で白米をすべての人々が日常的に食べるようになったのは、つい最近、昭和40年代になってからのこと。それ以前の多くの庶民の主食は雑穀だったという。第二次世界大戦中の食糧難を支えたのも雑穀だった。昭和30年代、岩手県では米よりも多くの雑穀が栽培されていたとの統計が残っている。

主催者は、「全国雑穀サミット」を契機に、雑穀の生産・消費拡大につながることを期待している。なお、来年もこのような取り組みを継続する予定。






登録日時: 2002/12/30 06:07:46 AM

英語記事はこちら


 


 

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