生物多様性・食糧・水

2018年07月11日

 

日本気象協会とNEC、食品ロス削減で協業

Keywords:  食糧  3R・廃棄物 

 

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世界的な社会課題である『食品ロス・廃棄』に対し、バリューチェーン上の需要と供給のミスマッチを解消することで解決を図ろうという動きが起きています。バリューチェーン全体で共有・活用できる「需給最適化プラットフォーム」についてお伝えします。

日本気象協会と電機大手のNECは2018年2月28日、多様な業種・業界における製造、卸・物流、販売のバリューチェーン全体で需給を最適化するビジネスにおいて、ビジネスパートナーとして協業することを発表しました。

第一弾として「需給最適化プラットフォーム」を食のバリューチェーンに適用。需要予測結果や在庫情報、販売実績をユーザ企業と共有することで、個々の企業だけでなくバリューチェーン全体の需給を最適化し、社会課題である『食品ロス・廃棄』解決への貢献を目指します。

需給最適化プラットフォームでは、NECが開発した「異種混合学習技術」という技術が用いられています。多種多様なデータに混在するデータ同士の関連性から特定の規則性を自動で発見するとともに、分析するデータに応じて参照する規則を切り替えます。これにより、単一の規則性のみを発見して、それを参照するような従来の機械学習では分析が困難であった"規則性が変化するデータ"でも、高精度な予測や異常検出が可能になります。

異種混合学習技術はまた、予測の根拠をわかりやすく示すことができ、なぜそういう予測に至ったかの理由を確認できるという特長があります。そのため、業務の遂行や意思決定をスムーズに行うことができます。

日本気象協会は、商品需要予測に関するコンサルティング実績を背景に、需給最適化プラットフォームにおけるデータ解析の基礎となる気象データの提供や、それらを活用した商品需要予測サービスの提供を推進していきます。

需給最適化プラットフォームについては、更なる精度向上を目指し、2018年1月から飲料の需給最適化を行う実証実験が実施されています。そこでは、小売業での需要予測はもちろんのこと、小売での販売データや気象やイベント情報など消費に直結する情報をメーカーの需要予測に活用することで、予測精度が大幅に改善する結果も得られ始めています。

精度の高い需要予測をもとに生産計画や発注計画を立案したり、需要予測の変動をみて需給バランスを調整したりすることで、食品ロス・廃棄が削減されることが期待されます。将来的には、需要予測から需給計画、生産計画、発注計画、在庫配置などの業務システムとの連携を見据えたシステムの構築も検討しているとのことです。

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