ニュースレター

2016年05月20日

 

長野県南佐久郡川上村:農業を軸とした取り組みにより豊かになった寒村

Keywords:  ニュースレター  市民社会・地域  食糧 

 

JFS ニュースレター No.164 (2016年4月号)

人口約4,500人が暮らす長野県南佐久郡川上村は、標高約1,200メートル、年間の平均気温は8.5度(北海道でも平均気温は9.8度です)の、四方を山に囲まれた農村です(宇宙飛行士の油井亀美也氏は川上村の出身だそうです!)。

かつては、島崎藤村(1872-1943)が「川上の八カ村というのがある。その辺は信州の中でも最も不便な、白米は唯病人に頂かせるほどの、貧しい、荒れた山奥の一つであるという(『千曲川のスケッチ』より)」と書いているほど、貧しい地域でした。それが現在、川上村は広大な畑が広がる豊かな土地へと変化を遂げています。今月号のJFSニュースレターでは、川上村の農業に関する取り組みについて、お伝えします。

農業が盛んな川上村

現在のように川上村が変わった契機は、1950年にはじまったレタスの栽培に遡ることができます。寒い気候で育つレタスの栽培は、川上村の気候にあっていたのです。この頃、日本の食生活が大きく変わり、レタスが一般的に食べられるようになったことも、川上村のレタス栽培を後押ししました。レタスは今でも川上村の主要な農作物です。

そして、農業の担い手が減って農地面積の減っている地域が多い中で、川上村では農作地の面積は安定しています。また、日本では農業従事者の高齢化が大きな問題になっていますが、川上村の基幹的農業従事者年齢別構成をみると、農業従事者の37.6%が50歳未満と、全国平均に比べて若い世代が農業を担っていることがわかります。

スタッフライター 新津尚子

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